洋裁の学校で、リバーシブルのジャケットを作っているんだけど、リバーシブル用の生地って2枚の布を接合糸で繋がれているので、縫い代の部分をはがす作業があり、握り鋏(糸切り鋏)でチョキチョキひたすら作業。
相変わらずスピードの遅い私の作業を見ていた先生が、「もっと切れるハサミでやったら?私の貸してあげるわよ」と言って貸してくださったのが、「菊一文字」の鋏。確かによく切れる。そして、先がやや細いので布の間に入れやすい。先生は京都で買ったとのことで、調べてみると、東京の支店は今はない模様。ネットで買えるけど、種類もいろいろあるので、どうしようかな~と悩んでいたところで、素晴らしいタイミングで現れたのが、新宿伊勢丹の京都フェア(かれこれ3週間くらい前の話なので、もう終わっちゃってますが)。そこになんと、菊一文字さんが出店しているとのこと。さっそく行ってみて、いくつか試し切りもさせてもらって、やっぱりお値段毎に切れ味違うのが明らかにわかる・・・・。毎年この時期に伊勢丹に来るので、研ぎもその時に出せばやってくれるとこのこと。
ということで、一生モノだと思って、1本買いましたー。すっごい切れます。
実は学校などの外出先にでは、どこの手芸屋さんにも売っているCLOVERの握り鋏を使っていました。万が一落としたり無くなるのが怖かったので。そして、おうちでの作業用に愛用していたのが、「ナス印」の握り鋏。ナス印の握り鋏は、以前、洋裁を本格的に始めた頃にお友達がプレゼントでくれたもの。たしか彼女のおじい様がこの会社をされていて、、、と聞いた記憶が。ナス印は、明治時代からの名古屋の老舗で、切れ味・耐久性でも定評があります。
写真の左がナス印、右が菊一文字ですが、やや丸みを帯びているのが関東型、細長いのが関西型とのこと。もうひとつ、もっと丸っこい蕪 (かぶら) 型というのがあって、それは京都型なのだそうです。菊一文字さんは京都のお店なので、蕪型もたくさんありましたが、関東型しか使っていない自分には、蕪型は慣れるのに時間がかかりそうだったことと、布の細い所に入れ込んで使いたかったので、細長い関西型にしました。
とっても贅沢ですが用途によって使い分けつつ、両方とも大切に使っていきたいと思います。普段の縫って糸を切ってという作業では、ナス印を。布の細かいところを切ったり、糸を引っかけてどんどん切って行きたいときは、菊一文字を、という感じかな。
それにしても、こういう道具って、職人さんのこだわりだったり思い入れが伝わってくる気がして、大切に使いたいって思いますね。
そして、菊一文字を買おうか迷って騒いでいたときの先生の一言。「道具ばっかり揃えてないで、とっとと縫いなさい!」(笑)。ごもっともです。いくら道具があっても、たくさん縫わないと、ですね。
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