ボルドーのヴィンテージワインの裏側にある、シャトーの品質への努力や思い、その一方でグローバル市場での価格高騰とバブル崩壊を描いたドキュメンタリー映画です。タイトルの印象だと、ワインにまつわるロマンチックな映画をイメージするかもしれませんが、けっこう生々しいお金の世界です。
冒頭はボルドーワインの魅力について語られていますが、中盤からは、主に中国と香港の投資家・収集家によって異常なまでに価格を吊り上げられるボルドーバブルについて、シャトーの複雑な思い（シャトーによってその思いや対応が違ったりするのが面白い）、高額でも購入する中国人・香港人の思いや文化的背景が語られています。高級なワインのボトルは、空きビンでも高額な値で取引され、模倣品が作られていることや、中国でオリジナルのワインブランドを立ち上げコンクールに優勝するまでになったワイナリーなど、想像していたよりも中国・香港について様々な側面から語っている時間が多く、ワインを通して、ヨーロッパとアジアの経済の関係や起きていることを知ることができるドキュメンタリーだな、って思いました。
てっきりフランス語の映画だと思っていたのですが、ナレーションはラッセル・クロウで全編英語です。シャトーの人たちも通訳を入れずにみんな英語で頑張って話しているのも印象的でした。
普段あまりお酒を飲まない私ですが、観終わったらさすがにワインが飲みたくなってしまいました（結局飲まなかったけどね）。
関東では、ヒューマントラストシネマ有楽町で上映しています。
⇒「世界一美しいボルドーの秘密」オフィシャルサイト

あとは、直近は「ジャージーボーイズ」と「グレースオブモナコ」を見たいな～。